なぜスペイン語のあいさつは複数形なのですか?
スペイン語の基本のあいさつ「Buenos días(おはよう)、Buenas tardes(こんにちは)、Buenas noches(こんばんは)は、なぜ複数形で言うのか疑問に思ったことはありませんか?
スペイン語のあいさつを複数形で使用することは、スペイン語特有のものです。
同じグループとして分類されるロマンス諸語(スペイン語のようにラテン語から派生したもの)では、あいさつは常に単数形です。
英語、good morning
イタリア語、buon giorno
ポルトガル語、bom dia
フランス語、bonjour
と、すべて単数形で複数形ではありません。ドイツ語でさえも、guten morgenと単数形に聞こえます。
では、なぜスペイン語のあいさつは複数形なのかを考えていきましょう。スペイン語という言語がますます魅力的に感じますよ!
実は短縮形
カスティーリャ語の「Buenos días os dé Dios(神があなたに与えるあいさつ)」からという説があります。
言語学者の Salvador Gutiérrez Ordóñez 氏の理論です。スペイン語王立アカデミーの会員でもあります。
私の意見では、最も可能性のあることは、「おはよう」と単に言われていたのではなく、元々長いフレーズだったということです。後に短縮され「こんにちは」と「こんばんは」についても同じことが言えます。
強調した形
他の人は別の理論を指摘しています。
スペイン語では、量ではなく強度を表すために複数形を使用することがあります。
カスティーリャの宗教的な祈りのリズムが複数形で構築されているのです。
maitines = antes del amanecer(早課, 日の出前)
laudes = al amanecer(賞賛, 日の出)
vísperas = tras la puesta del sol(晩課, 日没後)
複数形は量ではなく強さを表すのでスペイン語のあいさつや、「gracias(ありがとう)」など敬意の表現も複数形で行われると主張する人もいます。
確かに「mis condolencias(お悔やみ申し上げます)」、「saludos(ご挨拶)」、「felices fiestas(おめでとうございます)」、「felicidades(おめでとうございます)」などもそうです。
単数の場合
ほとんどのスペイン語話者は、あいさつに複数形を使用しますが、単数形でよく言うものが「buen día」です。
La Real Academia de la Lengua(RAE)では、どちらも正しいものですが、複数形は伝統的でより普及しているため、複数形で使用する方がよいと考えています。
若者の間では「buen día」は、英語っぽく聞こえるので、手軽でいい感覚だということです。
しかし、スペイン語のあいさつは「お祈り」つまり「望み」でもあるわけです。
たくさんを望むことができるんだから、ケチケチした単数使用はやめて、複数形で言おう!という派もいるそうです。ユニークですよね。

レイナルナ
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