スペイン料理や飲み物の名前には、歴史や文化がぎゅっと詰まっています。
「パエリア」や「タパス」、「サングリア」など、耳にする有名なメニューにも面白い語源があります。
今回は、スペインの食材や料理、飲み物など、食べ物に関連する語源を紐解いてみます。
旅行やレストランで役立つ豆知識として、ぜひ最後まで読んでみてください!
また、文法の勉強に疲れたら、こんなスペイン語でひと休みするのも良いですよ。
スペイン料理の名前の意味と語源とは?
なぜ料理名の語源を知ると面白いのか
料理名の背景には、その土地の歴史や文化が隠れています。語源を知ることで、スペインの食文化をより深く理解でき、旅行や語学学習の楽しみが倍増します。
スペイン語と食文化の深い関係
スペイン料理の名前は、日常生活で使われるスペイン語やラテン語が由来になっていることが多いです。また、地域ごとに呼び方や意味が異なる料理もあり、バリエーションが豊かです。
代表的なスペイン料理の名前の由来
Paella(パエリア)の語源と意味
「パエリア」は、スペイン・バレンシア地方発祥の米料理。
語源はラテン語の「patella」(平たい皿)で、もともとは「鍋」の名前でした。
料理名ではなく、調理器具の名前から派生したというのは面白いポイントです。
タパス(Tapas)の名前の秘密
「タパス」は小皿料理の総称。語源は「tapar(ふたをする)」で、かつてワインのグラスにパンやハムをのせ、ほこりを防いだのが始まりとされています。
今ではスペインのバル文化を象徴する食べ方になりました。
ガスパチョ(Gazpacho)の由来と歴史
語源については諸説ありますが、最も可能性が高いと思われる説だけを見てみましょう。
かつてパンの切れ端を指す言葉「caspa」に由来する可能性があります。
これらの残ったパンはシチューに混ぜられていました。
現在ではアンダルシアのガスパチョ(トマトのスープ)が最も有名ですが、高原地方で食べられていた、パンと野菜を使った温かいシチューの方がより古いようです。
トルティージャ(Tortilla)の意味
トルティージャ(ヤ)は「tortilla」に由来し、スペイン王立アカデミー(RAE)によれば、「tortilla」の語源は不明です。
「torcido」と関連しているという説もありますが、これは根拠の薄い仮説に過ぎません。
いずれにせよ、「tortilla」とは丸いものを指します。
スペイン語圏のすべての国々では、「tortilla」と呼ばれるお菓子やその他のものが存在し、それらは通常丸い形をしています。
興味深いことに、スペインではこの言葉はポテトオムレツのような卵を使った食べ物と強く結びついていますが、他の国では、穀物から作られるメキシコのトルティージャ(ヤ)のように、単に丸いものを意味します。
クロケタス(Croquetas)の語源
クリーミーなベシャメルソースを包んで揚げた「クロケタス」は、フランス語の「croquer(かじる)」が由来です。
外はカリッ、中はとろりの食感を表す言葉です。
ファバダ(Fabada)の由来
ガスパチョやサングリアは爽やかで夏らしい飲み物ですが、今回はまったく逆のものをご紹介します。
体を温めてマラソンに出かけるのに最適な冬の料理といえば、ファバダです。
これは、ソラマメやチョリソ、その他さまざまな美味しい食材を合わせた煮込み料理です。
スペイン北部の「Asturias(アストゥリアス)地方」の郷土料理で、そこでは(残念ながら、現地の意見では、その数は減少傾向にあり)古代レオン王国の言語である「el asturleonés(アストゥリアス・レオン語)」が話されています。(現地では、asturiano と呼ばれています)
この言語では、スペイン語のようにラテン語の頭文字の「f」が失われることはなく、豆は「faba」、複数形は「fabes」と言います。ファバダは豆の料理です。
スペインの人気飲み物と名前の由来
サングリア(Sangría)
イベリア半島で最も有名な飲み物の一つです。
少なくとも公式には、ポルトガル語であると同時にスペイン語でもあります。
そして、その名前から推測できるように、「サングリア」という言葉は「血(sangre)」に由来しています。
サングリアとは、古代の医師が病人を治療するために用いた血液抽出液(George Washingtonに聞いてみてください)のことでした。
その色からこの名前がついたのかもしれません。
オルチャータ(Horchata)の由来
「オルチャータ」は、ラテン語の「hordeum(大麦)」に由来しています。
スペインではタイガーナッツを使いますが、メキシコでは米を使うなど、地域によってレシピが異なるのも面白い点です。
カリモチョ(Kalimotxo)
スペインの大学生の間で人気のドリンク(飲まれていない地域もありますが)です。
コーラにワインを混ぜたもので、スーパーなどで売っているお安いワインで作るのが定番ですが、最近は良質のワインで作る人もいます。
とても人気があるので、el kalimotxho(スペイン語では「calimocho」、元々の名前はバスク語)の誕生については、千もの物語や伝説があるのは想像に難くありません。
「Erandio(エランディオ)」で生まれたと言う人もいれば、「Getxo(ゲチョ)」で生まれたと言う人もいれば、「Bilbao(ビルバオ)」で生まれたと言う人もいます。
また、バスク地方じゃなくて、「riojano(リオハ地方)」が本当の発祥地だって言う人もいて、多くの論争の的となっています。
最も一般的な伝説は、1970年代のバスク地方の町の祭りで何百リットルものワインが購入されたというものです。健康に悪いわけではありませんでしたが、味はひどいものでした。その解決策が、コーラと混ぜる、ということでした。
そして、その伝説によると、この名前は、発明者の愛称である「Kalimero(カリメロ)」(子供向けアニメシリーズの有名キャラクター、黒いひよこ)と、バスク語で「醜い」という意味の「motxo(モチョ)」を組み合わせたものと言われていますが、多くの辞書では「小さい」と訳されています。
もし、バスクの人のアミゴがいたら、疑問を解消してもらうためにたずねてみてください。
この伝説の信憑性は・・・どうなのでしょうか。
KALDI コーヒーファームさんにレシピが載っていました!
https://www.kaldi.co.jp/recipe/redwood-calimocho.html
知っておくと楽しい!スペイン語と食の豆知識
「食べる」に関するスペイン語の面白い表現
例:「echar una tapa」(軽くつまむ)、「ir de tapas」(タパスを食べに行く)など、食に関するスペイン語は日常会話にもよく出てきます。
スペインの地域ごとに違う料理名の由来
同じ料理でも地域によって呼び方が異なる例を紹介:
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「パタタス・ブラバス」(マドリード)
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「パタタス・アリーオリ」(バレンシア)
まとめ|語源を知るとスペイン料理がもっと美味しくなる!
スペイン料理や飲み物の名前には、その土地の文化や歴史が詰まっています。
語源を知ることで、食べる楽しみだけでなく、スペイン語学習や旅行の体験も豊かになります。
次にスペイン料理を食べるときは、ぜひ名前の意味を思い出してみてください!
Y por hoy ya está bien de comida, que al final entra hambre.
Gracias por leerme. Hasta la próxima.