なんで、レモンじゃなくてオレンジと言うの?「あなたは、私のオレンジの片割れ」

なんで、レモンじゃなくてオレンジと言うの?「あなたは、私のオレンジの片割れ」

グアテマラ人の親友アミガが、米津玄師さんの大ヒット曲「Lemon」が大好きすぎて、やたらと歌詞についていろいろ聞いてきます。
恥ずかしながら、聴いたことがなかった私でしたが、なぜアミガがそんなに感動しているのかが、やっとわかりました。

スペイン語のことわざに、Tú eres mi media naranja.
あなたは私の半分のオレンジだ。)という有名なフレーズがあります。

米津さんのこの曲「Lemon」の終わりのほうで、このフレーズによく似た歌詞が出てくるんですね。
切り分けた果実の片方のように、今でもあなたはわたしの光

スペイン語を勉強している方なら、この、ことわざを思い出した人も多いと思います。
そうです、だから、私のアミガも「Me encanta! Es mi favorita!! Voy a llorar!!!」と、すごくウルウル興奮していました。(笑)

mi media naranja は、直訳すると「私のオレンジの半分」ですが、「ぴったりの相手、運命の人」を意味します。
生涯愛する人、切り分けたオレンジ同士は、もう片方としかぴったりくっつくことはないという意味で、つまり、「ベストパートナー、妻、夫」などに値する人のことを言います。
ロマンチックでかわいいですよね!
このことわざを知ったときに、とっても素敵な表現だと、感激したことを思い出しました。
しかし、米津さんのこの歌詞もまたまたロマンチックです。

すると、アミガと話しているうちに、ふと疑問が・・・

「なんでオレンジなの?レモンでもよくない?なんで?」

気になってしまったので、調べてみました。

なぜオレンジなの?

スペイン語圏のサイトでヒントを得るために探してみたら、このテーマについてのサイトがたくさんありました。

  • A todos aquellos que tienen dudas acerca de “¿Por qué se le llama media naranja?” y no otra fruta.
    「media naranja」について疑問を持っているすべての人に。なぜ「オレンジ?」「他の果物じゃダメなの?」
  • ¿De dónde salió la frase “busco a mi media naranja”?
    「mi media naranja を探している」という言葉はどこから来たの?
  • ¿Te has puesto a pensar por qué no decimos: busco a mi media manzana o a mi media pera?
    疑問に思ったことある?なんで「リンゴや梨」って言わないの?
  • Todo mundo decimos, me incluyo, “quiero encontrar a mi media naranja”, la verdad es que la expresión es muy dulce y jugosa, pero ¿por qué no decimos? “quiero encontrar a mi media manzana, pera o sandía”
    私たちみんな「mi media naranja を見つけたい」と言います。とても甘くてジューシーな表情だけど、同じように「半分のリ​​ンゴ、洋ナシ、スイカを見つけたい」とは、どうして言わないの?

根源は、プラトンの「饗宴」

La expresión aparece por primera vez en El banquete, de Platón.

私たちが言う愛の表現「理想的なパートナー(より良い半分)」は、紀元前350年頃に書かれた、哲学者プラトンの「ザ・バンケット(饗宴)」に登場したストーリーが起源のようです。
これは、プラトンの中期対話篇の1つ「The Banquet」で、悲劇的な詩人、アテネのアガトーンが主催した宴会について語っているものです。

物語の詳細は省きますが、アリストパネス(『雲』によって、ソクラテスに対する大衆の偏見を広めた喜劇の詩人)の演説の部分に「media naranja」のルーツが現れています。

世人はエロースの威力を全く理解していない、エロースは人間の最大の友、助力者、苦悩の医者である。
原始時代の人間は男と女と男女(両性具有)の三種があり、それらはいずれも背中合わせで二体一身(男男、女女、男女)だった。
彼らは力も気概も強く神々に挑戦したので、ゼウスによって半分に切られ、顔の向きも反対にされた、その切断面の絞り痕(あと)がヘソである。
こうして半身としての我々人間は互いに求め合うようになり、そのかつての完全体に対する憧憬と追求がエロースと呼ばれているものである。
したがって、この神に従っていれば、本来の自分に戻れる最良の愛人を見出すことができる。

という主旨の喜劇詩人らしい演説を行う。

Por: Wikipedia

エロースとは、古代ギリシア神話に登場する恋心と性愛を司る神です。

両性具有はスペイン語では「andrógino」と言います。

 

 

オレンジである理由

こんな文章を見つけました。

La Tierra estaba habitada por personas esféricas, iguales que las naranjas ecológicas, que, en una misma cabeza, portaban dos caras. Su cuerpo incluía cuatro piernas y cuatro brazos para desplazarse rodando.

地球には、オレンジのような球形の人々が住んでいて、同じ頭の中に2つの顔を持っていて、その体を動かすために、4本の脚と4本の腕がついていました。

プラトンの饗宴
Por: SAVE MONEY

 

つまり、 人間はオレンジみたいに丸く、いずれも手足が4本ずつ、顔と性器も2つずつあったと説いた!
Aristófanes narra que, en un principio, la raza humana era casi perfecta y eran esféricos como naranjas:

そして・・・

La obra narra que Zeus, al sentir compasión por ellos ordenó a Hermes –– el mensajero de los dioses –– que les girara la cara hacia el mismo lado donde tenían el sexo: de este modo, cada vez que uno de ellos encontrara a su otra mitad o “media naranja” pudiera obtener placer y si además se trataba de un ser andrógino lograrían obtener descendencia. Según el mito, la condena de los humanos es la de buscar de manera constante a su “media naranja”, y que solo el verdadero amor los podría unir de nuevo, si es la mitad genuina, hasta convertirse en uno solo.

ゼウスによる両断で、手足が2本ずつ、顔と性器が1つずつの2人の「半身」となった結果、それぞれが残された半身に憧れて結合しようと求め合った。そして元々、男女だった男と女が互いの半身、すなわち、男は女、女は男を求めることになった。それが男女の真実の愛である。

¡Aww que romántico! Está muy interesante y bastante bonito.

うわー!ますますロマンチックです・・・

Desde entonces, narraba la obra de Platón, cada mitad busca a su otra mitad para fundirse con ella para siempre en un abrazo.

はい!スッキリ!解決!できました。
これで、「なんでか知ってる?」と説明できます。もちろんスペイン語で!!
やっぱり、他の言語を知る、って楽しいですね。

世界のことわざをポップなイラストで紹介されている大人向けの絵本。
スペインは「あなたは私のオレンジの片割れ」が掲載されています。

“¡No perder una nueva oportunidad de encontrar a tu media naranja!”.

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時に励まされ、優しくロマンチック。不思議な力を与えてくれます。

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Gracias por leerme. Hasta la próxima.