否定的な疑問文(否定疑問文)の答え方は間違えるととんでもない誤解をまねくことになります。
スペイン語も英語と同様に日本語とは逆に答えなければいけません。
「だから否定の質問はされたくない!!」
かと言いつつ私もけっこう言ってたりします。
日常会話でそんなに使わないかも知れないけど、しっかり理解するためにここでまとめておきます。
あるある間違え
先生とのレッスン中でもよくありました。
先生「¿No tienes mucha hambre?」
レイナルナ「Sí, no tengo mucha hambre.」
先生「・・・ ¿Qué? ¿Sí o No?」
先生は「あんまりお腹がすいてないの?」と質問し、私は日本語で考えて「そうなの、すいてないの」と答えます。
すると、「そうなの」が「Sí 」、「すいてない」が「no tengo」になり、しかも、深く「うんうん」と首を縦にふりながら答えるので、先生としたら、「Sí、No、どっちだよ?」ということになります。
先生は、日本人がよく間違えることなので、笑って教えてくれますが、友達やビジネスの会話の場合は困ったことになる可能性があります。
とにかく、「Sí」と「No」の答え方は要注意です!
スペイン語の否定疑問
くりかえしになりますが、スペイン語も英語と同様に答え方は日本語と逆だと思うことです。
正しい答え方は、
¿No le gusta la música? 「音楽はお嫌いですか?」 Sí, mucho. 「いいえ,大好きです。」 |
このような否定文の質問に日本語で「いいえ、好きです。」と答える場合、スペイン語では 「Sí」と答えます。 |
¿No sabes nadar? 「泳げないんですか?」 No, no sé. 「はい、泳げません。」 |
このような否定文の質問に日本語で「はい、そうです。」と答える場合、スペイン語では 「No」と答えます。 |
¿No irá mañana? 「明日いかないのですか?」 No, no quiero ir. 「ええ,行きたくありません。」 |
この「ええ」は「その通り、行かない」という意味で、質問に対する答えは「No」です。 |
スペイン語では、相手の質問文の形式に関係なく、
好きなら Sí. 嫌いなら No.
できるなら Sí. できないなら No.
したいなら Sí. したくないなら No.
実際はシンプルです。
スペイン語の否定命令
ちょっとややこしいです。
No lo digas a nadie. 「誰にも言うなよ。」
Sí, lo diré a todo el mundo. 「いや,みんなに言ってやる。」
もし、
「No」で答えた場合、「わかった、言わないよ。」という意味になってしまいます。
スペイン語の疑問文
使われる動詞によっても答え方に気をつけないといけない形式があります。
¿Te importa que fume? 「たばこを吸っても構わない?」(たばこを吸うことは君にとって問題かな?)
Claro que no. En absoluto. 「もちろん。全然構わないよ。」
「構わない」は「No」と言わなければなりません。
うっかり「Sí」と言ってしまうと「困ります。」という拒絶の返事になります。
答え方のエクササイズ
① 否定的な疑問文を普通の疑問文として答える。「No」を聞かなかったことにする。
「¿No quieres saberlo?」→「¿Quieres saberlo?」
知りたいなら、「Sí」
知りたくないなら、「No」
② 日本語とスペイン語は常に反対になると覚えておく。
日本語を勉強している外国人の友達に否定疑問で質問すると、
例えば、
「¿No lo sabes?」 「それを知らないの?」
日本人の場合は、知らないなら「うん、知らない」
でも、外国人の場合、知らないなら「いいえ、知らない」と答えます。
つまり、質問の事実に対して「はい」か「いいえ」なのです。
③ 日本語を話す時もスペイン語のように答えるようにする。
ちょっと無理やりですが、
「もういらないの?」
と言われたら、「うん」と言わず、首を横に振りながら「いらない」と言います。
間違えではないと思うし、外国人ぽい反応になりますね。笑
否定の単語
否定疑問文の性格
京都産業大学外国語学部
三好 準之助
日本語の「はい」とスペイン語のSiについて
そもそも否定疑問文が発話されるときの動機が、西欧諸語と日本語で異なっているようである。
たとえば英語では,久野暲(1973: 180)によると「否定疑問文のほとんどが,肯定の答えを予期している」のである。
スペイン語でも相手の都合をたずねるときに否定疑問文を使うのは,多くの場合,質問者は相手がそうすると思っている内容を確認するときに,肯定の応答を期待して使うはずである22)。他方,筆者の理解では,日本語の誘いや相手の都合をたずねるときの否定疑問文はその多くが,話し手の主張を弱める「遠回り型」の和らげ表現に属していて,話し相手が拒否する可能性を前提にした配慮表現なのである(cf. 三好(2013)の2.2. 項)。
別段,いつも肯定の応答を期待しているわけではない。
それどころか,否定的な応答を期待していても,儀礼的にたずねてみる,という場合さえある。スペイン語では相手の都合をたずねるとき,たとえば ¿Quieres ir conmigo?「(直訳)私と一緒に行きたいですか」のような肯定疑問文を使うのが普通である。
だから逆に,スペイン語話者が日本語で会話をするとき,「私と一緒に行きませんか(行きたくないですか)」と否定疑問文でたずねられると,同行を強制されているような印象を受けるようである。
否定疑問文の ¿No quieres ir conmigo? (文字通りなら「行くことを欲しないのか」)でたずねるときには,話し手は相手が当然行くはずだが,行かないわけがあるだろうか,という気持ちでたずねているからである23)。
さいごに
この論文によると、
- スペイン語は、
「否定疑問文のほとんどが、肯定の答えを予期」 - 日本語は、
「話し相手が拒否する可能性を前提にした配慮表現」
ここで、スペイン語と日本語の考え方に違いが出ますね。
うーん・・・やっぱり言語っておもしろい。
スッキリします!
何度も読んでます。
スッキリした!「スペイン語のしくみ」から理解したこと
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