ホンジュラス人に聞く!殺人率世界一の国に女性一人で行けるの?キャラバンは?

ホンジュラス人に聞く!殺人率世界一の国に女性一人で行けるの?キャラバンは?

世界一危険な都市と言われているホンジュラスの「サンペドロスーラ」に住んでいるアミガとほぼ毎日のように話しています。
彼女と話していると、なぜだか癒されて好き。そして “世界一危険な場所” で暮らしていることなんか想像できないくらい、いつも元気だし、ほのぼのしています。優しくて頭もいいから、話題も豊富で楽しい。
そこで、聞いてみました。

<実際どうなの?ホンジュラスって?>

ホンジュラスはどこにある?

中米・ホンジュラスの場所を確認してみましょう。

ホンジュラス

中米の真ん中に位置するホンジュラス共和国。首都はテグシガルパ、周辺諸国には、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアがあります。北はカリブ海、南は太平洋に面しています。人口約760万人(2010年推計人口 96位)で、公用語は周辺諸国と同様にスペイン語です。

ホンジュラスの治安

外務省-海外安全情報

ホンジュラスは人口あたりの殺人事件発生率が世界で最も高い国の一つです。年度によって差はありますが、1000人に1人程度の割合で殺人に巻き込まれているのが現状。
と、言われても、ピンと来ない?

ロンドンに拠点を置くレガタム研究所によると、最も低い地域は、

第10位 スウェーデン
第9位 オーストリア
第8位 スイス
第7位 ドイツ
第6位 ノルウェー
第5位 デンマーク
第4位 アイスランド
第3位 日本
第2位 ルクセンブルク
第1位 シンガポール

第一位のシンガポールで報告された件数は、わずか16人。(2011年調べ)
唯一増加しているのがサイバー犯罪ですが、血まみれの最後を迎えるようなものではないし、日本のように自然災害に殺されることはない、という事実があります。それにしても、16人て、すごく少ないですよね。

 

なぜ危険なのか?

ホンジュラスが危険だと言われる理由

  1. 貧困
    国民の約6割が貧困状態にある、中南米の最貧国の一つです。貧困だからこそ、窃盗・強盗・殺人・麻薬犯罪などが起きてしまっているのです。
  2. 麻薬
    メキシコにも言えることですが、ホンジュラスは南米の国から北米の国に麻薬が運ばれる時の中継地点とされています。そのため、組織間抗争や麻薬取引のトラブルによる殺人事件が多発しています。
  3. 最大のギャング「マラ・サルバトルチャ」(MS13)
    青少年凶悪犯罪集団、 略して「マラス」、「MS」の存在です。周辺諸国のギャング・マフィアとの結びつきも強い上、麻薬関連で資金を集め、所属人数も多いため、簡単に取り締まれる存在ではありません。

 

マラスのアジト

El Merendón, refugio de mareros

サンペドロスーラにあるメレンドンの山をアジトとしていた一部のMS-13ですが、このアジトを警察によって特定され、数人のリーダーが逮捕されました。
過去9年間にわたり、コカインやマリファナなどの薬物を生産していたとみています。

 

マラス 秘密の世界

ギャング団「MS-13」元リーダーのウィリアム・アリアス氏が、中米で最も暴力的なギャングの1つと言われる同グループになぜ加わったのか、そしてそこでの生活の様子をリアルに説明しています。

ホンジュラスの生活状況

そんな現地で暮らしているアミガは、いつもどんなことに気をつけているのか聞いてみました。

AMIGA
AMIGA

En cuanto a mi país, yo pienso es seguro algunas partes pero otras es importante no frecuentar tan de noche yo por ejemplo doy un consejo a mis amigos uno debe de vestirse de forma normal y sencillo no usar cosas que llamen mucho la atención como ponerse cosas de oro… ellos cuando vienen con otros amigos ellos son sencillos en vestirse.

 

安全なところはあるけれど、夜間は気をつけています。たとえば、普段着でいること、過度なものや “金” を身に着けないこと、など友達にアドバイスしています。とにかくシンプルに。

日本で暮らしている私たちにとっては、なかなか想像がつきにくいですね。



なぜホンジュラスは貧しいのか?

ホンジュラス サンペドロスーラ

質問サイト「Quora」で「ホンジュラスはなぜこんなに貧しいのですか?」というトピックがありました。
とても興味深い内容です。

「Quora」について、詳しく知りたい方は、
外国人から日本についてよく聞かれる質問をスペイン語で探る
をご覧ください。

ホンジュラスは豊かな土壌、豊富な水、2つの海岸線、航行可能な河川を持ち今よりもよくなる可能性のあった国ですがスペインからは見過ごされてきました。スペインの拠点は遠く離れたコロンビアにあり、スペインが力を失いつつある頃に新しい行政府がグアテマラに作られました。ホンジュラスは僻地で優秀なスペインの行政官は行きたがりませんでした。流刑地に文明地帯ででき他の地域よりも反射的・保守的でした。1820年代の独立戦争時代には状況は明るかったです。フランシスコ・モラサンというホンジュラス人の革命リーダーがおり、中央アメリカを統一しようとします。彼は間違った側に巻き取られて処刑され、中央アメリカは独立国に別れ、お互いに争うようになりました。19世紀にはいくつかの破綻した政府がホンジュラスの運命を貧しいものに逆行させました。

ユナイテッド・フルーツ(現チキータ・ブランド)やスタンダード・ブランドなどの果物会社が参入し大西洋側の土地を買い(実質的に与えられた)領地を作ります。数千人の小作農(campesinos)を働かせますが、給料はお情け程度でした。労働者は家族を不安定な社会基盤に置き去りにしなければなりませんでした。果物会社は自分たちの利益のために北部に鉄道・高速道路などのインフラを作ります。首都のテグシガルパは遠く離れており山脈や川を越えなければ到達できませんし、鉄道や高速道路が北部のベルト地帯を越えることはありません。19世紀後半と20世紀前半は果物会社が国を支配し巨額の儲けを得ましたがそれが国民に分配されることはありませんでした。

多くのホンジュラス人はこの運命を受け入れてしまい、カトリック教会がそれを奨励しました。栄養不良で受動的な社会は管理しやすいからです。1960年代から1970年代にかけて、解放の神学はニカラグア・エルサルバドル・グアテマラを席巻しましたがホンジュラスにはきませんでした。1960年代にバナナ会社は撤退しますが、アメリカの支援を受けた進歩のための同盟のせいで発展と開発から取り残されました。健康増進指導員として働いていた地域の幼児死亡率は40%でした。私のプレゼンテーションや事業はたいした成果はあげられませんでした。アメリカ国境はそう遠くないですから体の動く人は船やバスのチケットを買ってコミュニティが成長しているニューオリンズやニューヨークに向かいました。

多くの理由で、ホンジュラスは1970年代と80年代に彼らの隣国が経験した暴力的な政治的および経済的な混乱を免れました。 アメリカ政府は、国内に何千ものアメリカ軍を駐留させ、チリ軍からの拷問者を招いて異議を鎮圧しました。一般的に戦いと流血の欠如は良いことに思えるかもしれないのですが、ホンジュラスはニカラグア・エルサルバドル・グアテマラの革命と改革から取り残されて組織化されることも連帯することもなく貧しいままでした。

そんな中、長い間移民だけが唯一の回答でそれは続いています。 過去40年間で教育を受けた熟練した人々がどんどん国外に流出してゆきました。 女性・子供・そして年長者などの取り残されている人々はどんどん受動的になっています。 政府には統治能力がなくギャングと犯罪者の天国になりました。 彼らのカルテルはコカインかヘロインを必要とするアメリカ人の支援のおかげで繁栄していて、あたかも公的な政府機関のようです。

私はホンジュラスでの生活や仕事が大好きです。ホンジュラスの人々が私が出会った中で最も親切な人たちのであるとわかりました。 しかし、彼らは貧困と謙虚さは彼らのためになっていません。 ほんの少しの動機や野心を持った人はみんな逃げ出してしまいます。 受動性は残っている人々に役立つかもしれません。 犯罪や圧倒的な貧困の中で暮らしているときはただ頭を下げてそれが神の意志だと受け入れる方が簡単です。 しかし、受動性と致命的行為は国全体に何の効果もありません。 私には何かが変わっているようには見えないのです。

全文が読みたい方は、Quoraの「Maggieさんの回答」をご覧ください。

 

キャラバンの現状

「キャラバンについて」アミガにたずねてみました。
アミガは、しっかりとした職に就いているし、お家もかなり裕福なんだと思います。しかし、多くの人は貧困で苦しんでいます。アミガは悲しそうに話していました。

 

AMIGA
AMIGA

Es una situación un poco difícil para muchas personas de mi pueblo, muchos de ellos no tienen trabajo acá y por eso toman esa decisión de irse de esa forma riesgosa. Fue muchas personas las que dejaron mi país.

困難な状況です。彼らは、ここでの仕事がないので、危険な決断をしてしまいます。多くの人たちが私の国から去りました。

 

caravana
De: Honduras el mundo

 

2021年2月16日には、アメリカへ向かうはずだった移民3,300人以上がグアテマラからホンジュラスに戻されてしまいました。
ホンジュラス人3,228人、ニカラグア人5人、エルサルバドル人96人で、そのうち461人は未成年者です。
グアテマラでは、立ち往生している移民6,000人を強制的に解散させ衝突をくりかえしています。19日の時点で、まだ1,500人ほどがキャラバンの一部として残っています。

グアテマラからホンジュラスへ返還されるキャラバン移民
por: La prensa

 

Caravana Migrantes
キャラバンの状況をスペイン語で読む

 

コカ・コーラの小道

先に書いたMS-13がアジトにしていた「メレンドン」という場所には、ちょっと素敵な公園があります。
サンペドロスーラから近く、往復で約6km(徒歩約1時間半)のランニングコースが整っているため、ハイキングや、ウォーキング、マウンテンバイクなどが楽しめます。また森林浴も満喫できる自然豊かなスポットで、地元の人たちをはじめ、観光客にも人気があります。
そして、スポーツのメリットに加えて、登山を完了した人には、サンペドロスーラの街の最高な景色を眺める特権が得られます。

白い「コカ・コーラ」と書いてある巨大な看板があるため、「コカ・コーラの小道」とも言われています。

 

なぜこんな看板を?

「ラテンアメリカで最初に看板を持つ都市」というギネス記録に載せる目的として、1984年にホンジュラス醸造所が高さ10m、長さ73mのネオン看板を設置しました。


ハイキングの様子です。けっこうハードそう。

 

ホンジュラスの観光地なら治安は良好

危険なイメージばかりが目立つホンジュラスですが、「コカ・コーラの小道」のほか、ラテンアメリカならではの楽しみがいくつかあります。

コパン

グアテマラとの国境近く、コパン・ルイナスという村にマヤ文明の遺跡があります。

Copan
De: noviadeloceano

 

ロアタン島

カリブ海に浮かぶ美しい島。世界で2番目の規模を誇る珊瑚礁と高い透明度で人気のダイニングスポットです。島内には世界中から多くの観光客が訪れます。

Roatán

このリゾート素敵~!!ゲストルームは11室ですべてのお部屋からカリブ海!

Barefoot Cay Resort

特に観に行くところがない首都テグシガルパやアミガの住むサンペドロ・スーラにわざわざ行くのは、ないかも知れない。(彼女には会いたいけど)

観光地であれば、治安の心配はそんなにないと、アミガは言っていましたが・・・

 

ホンジュラスの移民をテーマにした映画

Sin nombre(闇の列車、光の旅)

México・EE.UU. , 2009. Dirección: Cary Joli Fukunaga

より良い生活を求めて、父親と共にホンジュラスから列車でメキシコを通り、アメリカへ移住しようとする少女の物語です。
スペイン語圏不法移民の危険で過酷な工程が現実感をもって描かれます。

 

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